好き、嫌いは否めない

日記に嘘を混ぜ込んで、ショートショートを書いています。

二番目でお待ちのお客様(ショートショート)

女がレジに向かおうとした時、別の列から初老の男が割り込んで来た。

「すみません、次のお客様がいらっしゃいますので。」と店員が言い、初老の男はばつが悪そうに店を出て行った。初老の男はコンビニの並び方や、車線規制の合流、信号機のない交差点の優先基準等、曖昧な基準に不満があった。あの店員は私が別の列でどれだけ待たされたのか、わかった上での判断だったのか甚だ疑問だ。

数年後、初老の男はコンビニの並び方や車線規制の合流地点、信号機のない交差点の優先順位等にビデオ・アシスタント・レフェリーの導入にこぎつけ、曖昧さの回避に成功した。

女がレジに向かおうとした時、初老の男は割り込んでみた。

ピピっと審判の笛が鳴りビデオ・アシスタント・レフェリーが発動。

モニターを見る審判は何度も繰り返し割り込みをチェックする。しかし判定覆らず。

レッドカードでコンビニを出禁となった。