はぁと、私は深いため息をついた。
そして便座の右前、私の足元にサニタリーボックスがあることをその時初めて知った。
なんとか高速道路のパーキングまで、と急いでトイレに駆け込んだ。そこまでは覚えている。
もしや、此処は女子トイレではなかろうか?
いや、近頃は男子トイレにも使用済み紙おむつや尿もれパッドの廃棄にサニタリーボックスを設置する場合も考えられる。
その時、小さな女の子の声を聞いた。
いやいや、小便器を確かに見た、と思う。
確信は持てない。もし女子トイレだったとしたら、もし女性に見つかったら、もし大きな声を出されたら。
脳裏に最悪の事態がよぎる。
「パパ、おしっこ終わったよ。」
「じゃぁ石鹸でおてて綺麗にしようね。」
嗚呼、助かった。此処は男子トイレで間違いない。
安堵した私は早速サニタリーボックスに汚れた下着を投げ入れた。